チャレンジレスポンス認証方式

概要

チャレンジレスポンス認証方式(Challenge-Response Authentication)は、セキュリティを強化するために使用される認証方式の一つです。この方式では、ユーザーのパスワードそのものをネットワーク上で送信することなく、認証を行います。これにより、盗聴によるパスワード漏洩のリスクを大幅に低減できます。

チャレンジレスポンス認証方式の流れ

  1. [クライアント] ユーザー認証情報の送信: 利用者がIDとパスワードを入力すると、クライアントはIDのみを認証サーバーに送信します。パスワードは送信しません。

  2. [認証サーバー] チャレンジコードの生成と送信: 認証サーバーは、受け取ったIDに対応するユーザーを特定し、**使い捨ての乱数(チャレンジコード)**を生成します。このチャレンジコードをクライアントに送信します。

  3. [クライアント] レスポンスの生成と送信: クライアントは、受け取ったチャレンジコードと、ユーザーが入力したパスワード(またはパスワードのハッシュ値)を組み合わせて、ハッシュ関数でハッシュ値を生成します。この生成されたハッシュ値(レスポンス)を認証サーバーに送信します。

  4. [認証サーバー] レスポンスの検証: 認証サーバーは、自身が生成したチャレンジコードと、サーバー側で管理しているユーザーのパスワード(またはパスワードのハッシュ値)を同じハッシュ関数で処理し、ハッシュ値を生成します。この生成されたハッシュ値と、クライアントから送られてきたハッシュ値(レスポンス)を照合します。両者が一致すれば、ユーザーは正当なパスワードを知っていると判断し、認証成功となります。

利点

  • パスワードの盗聴リスクの低減: ネットワーク上をパスワードそのものが流れることがないため、盗聴されてもパスワードが漏洩するリスクが低いです。
  • リプレイ攻撃への耐性: チャレンジコードが毎回異なる乱数であるため、過去の通信内容を盗聴されても、それをそのまま再利用して認証を突破するリプレイ攻撃を防ぐことができます。

参考